2011年7月3日日曜日

6/25に、おこったこと

6月24日金曜日。
今日は待ちに待った、八沢小を応援する会の一区切りへの出発です。
お昼間、出発する人たちは会社を休んで荷物をトラックに運びました。
明日は、どんな方が来てくれる?
卒業式や謝恩会、雨降ったらたいへんだな、
あるいは、何か迷惑になってやしないかな、
5月14日に始まったすみれ会の活動、
応援してくださった300人以上の気持ちを、
友人が、仲間が、家族が一緒になって、
やっと直接お届けできる日への出発です。
バザーとお知らせしていますが、
もちろん、いただいた数々の物資を無料でお配りする内容です。
夜6時に東京を出発して、南相馬についたのが夜中の12時。
不安もありつつ、少しは役に立っているかもという
傲慢な気持ちもありつつ、3時くらいまで、
仲間と話しをしました。

25日土曜日朝7時。雨。
荷おろし、濡れるかな。
いろんな方が集めて、整理して、子供が買い物ごっこで集めてくれて、
大人がきっちり梱包し、行き先が決まっている30人のためのダンボールと、
それ以外の100個の段ボール。
濡れること自体が申し訳ない、そんな気持ちがいっぱいつまった荷物です。

朝8時。
八沢小学校集合。
責任者であるつぼは10時からの卒業式、10時30分からの謝恩会の準備があるので、
学校に残ります。
バザーチームは9時に、小学校から車で5分のバザー会場に、
荷下ろしに仲間と一緒にいきました。
ちょうど雨も小降りになり、
自分たちの幸運に感謝しつつ、
130個のダンボール、10台の自転車、こたつ、キーボード…。
小さい会場に運び込みました。
七人の仲間は、
小さい会場の中で、お客さんが、順序よく、楽しみながら品物を選べるように、
いろいろ工夫をしました。
関西の食品会社の社長さんから、
子供たちの笑顔のために、と、とっても美味しいカレー味のソース100本と、
笑顔のレシピも届きました。
せまい会場は、荷物でいっぱいになりましたが、
とても歩きやすく、おもちゃ箱のような会場が完成です。
行き先が決まっている30人分の荷物は、
紛れてしまわないように、
別の部屋にいれて、引き戸をしめておきました。

11時30分。
会場準備が終わり、バザーチームは外で休憩。
まわりの田舎道。ときどき車が通るくらいで、
人影はありません。
「本当に人がきてくれるかな」
事前に、八沢小学校の生徒や間借りの生徒も会わせて750人にチラシを
配りました。
チラシは塗り絵になっていて、
みつこさんという、つぼの奥さん作です。
塗り絵をして持ってきてくれた人には、
シャンプーとリンスの試供品をプレゼントする予定です。
「750人のうち、10人でも来てくれればいいね」
「残ったら悲しいから、10人きてくれたら、
段ボール10個づつわたしちゃおうか」といいながら、
13時の開始までまだ時間があるので、車で5分の中華食堂に
ごはんを食べにいきました。

12時。
ごはんを食べている時に、
仲間の人の電話が鳴りました。
東京にいるみつこさんからでした。
「もしもし?あ、つぼの奥さん?どうしたの?
つぼは小学校の謝恩会に行ってて、一緒じゃないよ」
「実はいま、南相馬の人から電話があって、
会場に勝手に入っている人がいるらしいんです」
「えっ、ほんと?あ、カギなかったからな〜。
了解、会場にもどるよ。しょうがない人がいるね〜」

12時15分。
会場が見えました。
会場の前の道に、車が30台以上、あふれています。
想像してた状態を超えています。
会場は、人でごったがえしています。 
車も停められません。
少し離れて止めて、
急いで会場にいきました。
会場に入ることも大変でしたが、
会場に入った仲間は言葉を失いました。
ぐちゃぐちゃです。
止めることもできません。
ダンボールをひっくり返す、みんなの目が普通じゃありません。
せっかく別でとっておいた、行き先が決まっている荷物も、
勝手に封があけられて、空っぽになっています。
電化製品は、全部なくなりました。
お米、缶詰、食料品もありません。
食器もありません。
塗り絵の御礼のプレゼント3500個も、ありません。
カレー味のソースも、レシピもありません。
仲間のひとりが外に出ました。
自転車も、何台かありませんでした。
これが、おこったことです。

13時30分。
つぼが会場に着きました。
仲間が涙を流していました。
「ごめん、つぼ、、、」
「とんでもないです、、、」

地元の新聞記者が来ていました。
つぼが呼ばれました。
「支援してくださっている皆さんの写真をとりたいのですが」
「すみませんが、いま笑えません。
ずっと見ておられたのなら、どう思いますか?」
「恥ずかしい気持ちでいっぱいです」
「伝えるのが仕事なら、何を伝えるべきなんでしょうね」
「つぼさんの気持ちはわかります。新聞で伝えたいのなら、
投書という形があると思いますが」
「私たちの活動には一切ふれないでいただきたい。
ただ、必要な人に、必要なものが手渡しできることだけを
思い描いてたのですが、
自分たちの力量で、うまくいきませんでした」

15時。
バザー終了です。
25人の子供がぬりえを作ってきてくれました。
衣類が40箱、残りました。
南相馬の友人が、明日、仮設住宅や避難所を回ってくれるそうです。

17時。
仲間のうち、6人が先に帰ります。
最後でみんなで話しをしました。
1時間、いろいろ話しました。
九人の仲間たちは、
支援してくださる人のことを思い出しました。
子供たちのことを思い出しました。
このことを東京で知っているのは、仲間の九人だけです。
正直に伝えようか、それとも、うまくいきましたと御礼を言おうか。
「見て、聞いて伝えることが僕たちの役目だ。
どんな気持ちになったのかは言う必要なないけれど、
おこったことは、ちゃんと伝えよう。」と。

その日泊まる三人は、行き先が決まっていた30個の荷物のうち、
かろうじて残っていた荷物10人分に、少し衣類を足して
自分たちで届けに行くことに決めました。
せめてもの償いになれば。。。

おわり

多大な支援をしてくださった皆さま、
すべて手渡しというわけにはいかず、
本当にすみません。
被災地で幸運にもPCがつながっていて、
このサイトをご覧いただいている皆さん、
お約束が守れず、すみません。

その上で、
何ができるかを改めて考えています。
「花で笑顔を。必要な人に、必要なものを」
ここは変えずに。

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